これまでみてきたように、占いで使う星は霊魂から生まれたものです。
算命学の多くは星を使った占術ですから、当然霊魂を占っていることになります。
ところが、実際の占いでは、霊魂という単語は出てきません。
それはそれとして、占い以前の気と霊魂の関係がどうであったかは重要な問題です。
天空では陰陽のない五行ですが、地上では存在するために陰陽10気になっています。
木性陽という気は、人間社会では貫索星という名称の霊魂になります。
土性で作られた茶碗は「禄存星」という霊魂を持つと書かれています。
陰土性でと前提にすれば、「司禄星」の霊魂になります。
全ての存在が形と霊魂でなりたつという原理の霊魂の内容がこの星です。
前回観た、原典三巻にあった図で、肉体の陰陽の気は霊魂ではありませんでした。
土性の土で禄存星の霊魂が、という説明とは異なっています。
これが、人間の占いを複雑にして、霊魂の存在が限定しにくくなった理由でしょう。
これは、人間にとって霊魂といえるのは、心が介入してきてからのことだからです。
宿核(霊魂)ができる前に、身体(形)はあるのですが、この段階では「気」です。
占いで使う星は日干(心)が生み出したもので、戊=禄存星という星ではありません。
日干(心)が変換する霊魂は、成長によってどんどん融合変化します。
そのために、占いでは目的に応じた技術が使われています。
人間の性格を知る、生活を知る、仕事を知る、役割を知る、などなどです。
こうした技術の多角化多様性が、「霊魂」という言葉の意味を薄らがせた一因です。
それと、占いでは原資がなんであるかよりも、答え(星)が重要です。
それが霊魂であろうと気であろうと、星の意味が変わるわけではありません。
また、融合された霊魂は個々異なっていて、単純に霊魂を占う技術は生まれません。
星の意味や占術も、霊魂の本質よりも人間生活に重点が置かれるようになりました。
例えば、還暦は干支(霊魂)が60干支で元に戻ることを意味しています。
これの何が大事なのかというと、天馳星で燃える車騎星と天堂星の車騎星の違いです。
同じ霊魂を燃焼しても、その年代(時期)の従星によって霊魂の形は変わってきます。
ただ、人間主体の占術では、人間生活にあった占い方が使われるってことです。
単純に霊魂が星としてどのように燃焼しているのかを知ることは難しいです。
それは心があることと、霊魂が融合変形しているためです。
そこで、日干を通さない段階での気(霊魂)の状態を観る思想が必要になってきます。